研究 / Research

コンテンツ科学研究系

高山 健志
TAKAYAMA Kenshi
コンテンツ科学研究系 助教
学位:博士(情報理工学)、東京大学(2012年)
専門分野:パターンメディア
研究内容:http://researchmap.jp/kenshi84/
研究室WEB

サイエンスライターによる研究紹介

コンピュータグラフィックス作成をもっと簡単に

コンピュータグラフィックス(CG)とは、コンピュータの中に数式などを使って仮想的な世界を表現し、それを画面に出力することです。その進化は目覚ましく、最近のアニメーションなどでは本物と見紛うような映像もつくられています。しかし、これだけの映像をつくるには、かなりの人手とお金がかかっています。私はこれをもっと簡単につくる方法はないものかと研究しています。

大切なのはユーザとの意識の共有

CGは映画制作に使われる技術の1つですが、医学や工学、生物学といった研究分野では様々なシミュレーションに用いられています。CGの難しさは、アーティストや研究者などのユーザが考えているものを、いかに忠実に表現できるかというところにあります。そのため、まずユーザの方達と議論に議論を重ね、意識を共有しています。その上で、共有したものをコンピュータが理解できる数式という形で表す方法を探ります。このように私は大学時代から一貫して、3次元データのモデリング技術や、それを支援するデータ入力用ユーザインターフェースを開発してきました。

効率的なメッシュづくり

最近、特に力を入れて取り組んでいたのが、効率的に"メッシュ"をつくる方法の開発です。"メッシュ"とはCGで扱う空間を細かく分割するマス目のことで、このメッシュの切り方が、CGのできの善し悪しを決めます。例えば、キャラクターの輪郭を滑らかに描くためには、適切なメッシュをつくる必要があります。細かくメッシュを切れば切るほどいいようですが、必要以上に細かいメッシュをつくると計算量が増えてしまうなどの問題が生じます。
どのようなメッシュがいいのかについて、アーティストは経験的、直感的に知っていますが、それでも膨大な数のメッシュを切るのはとても大変な作業です。そこで、単純に切ればいい部分については、コンピュータが自動的に行う方法の開発が盛んに行われています。私はその1つの方法を開発したのです。この技術により、これまでプロのアーティストが3時間ほどかけて作成していたメッシュを、1時間ほどでつくることができるようになりました。これは、映像づくりに慣れない人をサポートする技術にもつながります。

中身をリアルに表現

キウイやニンジン、臓器など、現実の世界では中身が詰まっているものがあります。これも1つ1つ描くのは大変です。しかし、中身を効率的に描く技術は、その難しさと、使用頻度の低さから、あまり研究されていません。私はそこを敢えてチャレンジし、2つの方法を開発しました。1つは、種などのパーツをつくり、それらを数式によって効率的に並べる方法です。もう1つは、色の情報を同じく数式によって拡散させ中身を埋めます。ただ、これらの方法では、未だに満足できるものをつくることができません。今はよりリアルな表現を求めて、CTスキャンで撮影した中身の映像を利用する方法を模索しているところです。

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取材・構成 池田亜希子

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