研究 / Research

コンテンツ科学研究系

石川 冬樹
ISHIKAWA Fuyuki
コンテンツ科学研究系 准教授
専門分野:コンテンツ基盤
研究内容:http://researchmap.jp/f-ishikawa/

サイエンスライターによる研究紹介

Web サービスの利便性の向上を目指して

インターネットの誕生は、居ながらにして目的地までの経路検索、航空券やホテル、レンタカーの予約といったサービスを受けられるようにしてくれました。これらのWeb サービスは現在ネット上に分散しており、1つずつ探しては使っています。コンピューターが複数のサービスを組み合わせて私たちの希望に合ったサービスを提供してくれたら、もっと便利になりますね。そのようなサービスが受けられる社会を作るための研究をしています。

コンピューターがサービスを理解する

Web 上で提供される多様なサービスから必要なものを組み合わせて使う考え方を「サービス指向」といいます。サービス指向では、目的に合ったサービスの選択や組み合わせを利用者がすべて行うのではなく、コンピューターができる限り利用者を助けることを目指しています。そのためには、コンピューター自身がサービスを理解しなければなりません。つまり、「このサービスはこういうことができて、こう使いますよ」という情報をコンピューター向けに用意する必要があります。コンピューターはそのような情報を使う ことで、サービスの選択や組み合わせを行い、利用者の希望に適ったパーソナルなサービスを提供することができます。
ユビキタス社会という言葉をご存知でしょうか。ユビキタスとはラテン語の「どこにでもある」に由来していて、情報機器が身のまわりの至るところに存在し、必要なサービスをいつでも受けられる環境の整った社会を指します。例えば、帰宅すると、玄関のカメラが自動的に顔を認識し、扉を開けてくれます。また、夕食の支度でキッチンに入ると、冷蔵庫内にある材料を使ったいくつかのメニューが音声と画像でアナウンスされます。これもサービス指向の考え方に基づいています。

安心してサービスが受けられる技術を開発

現在、コンピューター向けにサービスの説明を書く方法は標準化され、コンピューターはホテル予約といったさまざまなサービスを提供できるようになりました。今後は、多様なサービスをどうやって選択し、組み合わせて、パーソナルなサービスを実現するかが重要となります。このときに必要になるのが、サービスの提供者と利用者の間の約束事、「契約」です。利用者は、「提供されるサービス」を契約という形で受け取ります。しかし、この契約にはサービスの質の時間変化やキャンセル時の扱いなど複雑な条件が網羅的に記述されており、それを人間がきちんと管理することは困難です。しかも、複数のサービスを組み合わせることを考えると、ダブルブッキングのように両立できない契約が生じる可能性もあります。このため、契約についてもコンピューターが内容を理解して利用者を助けていく必要があります。しかし、このような複雑な契約の管理を行うソフトウエアを作ることは難しく、そのための技術はまだ確立されていません。
この問題に注目した私は、複数の契約間に矛盾がないか、状況がいろいろ変化したときでも利用者の要求が満たされているかをチェックするための仕組みを作っています。この仕組みを使うことにより、契約を理解して利用者を助けるようなコンピューターソフトウエアの開発も容易となります。

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取材・構成 山田 耕

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